改めて益なきことは、改めぬをよしとするなり。(徒然草)

”徒然なるままに、日くらし、、、”で始まる、皆さんご存じ、兼好法師の『徒然草』。 
年の初めに読み直していたところ、第127段の言葉が目につきました。

「改めて益なきことは、改めぬをよしとするなり。」

小川剛生さんの現代語訳(新版 現代語訳付き 徒然草 角川ソフィア文庫)によれば、
「改変したところで無駄なことは、改変しない方がいい」ということ。
それはその通り。改変に取り掛かる前に、それを改変する事の必要性を見極めるのが先でしょう。

生産性をあげたい、効率を上げたい、利益率を上げたい。
成長をめざすのであれば、改善したい項目はあげればきりがないと思います。
でも、まず最初にやるべきは、「無駄」をなくすことでしょう。

人生には、無駄があっていいかもしれない。
でも、仕事のある範囲に限って言えば、「無駄」を省くことが一番の改変かもしれません。

「なくてもいい仕事」を、改めて見直してみるのも大事だと思います。

何かが行き詰っている、時間が足りない、人手が足りない、、、そう感じたら、まずは「無駄」を見直してみましょう。業務改変する前に、「それは本当に必要?」と問い直してみることも大事です。

コロナ前の話ですが、会社の人事異動の後に、部署の連絡網更新を部下にお願いしたところ、「連絡網って必要ですか?」と言われたことがあります。むかしは、緊急時など電話による連絡ができるようにしていましたが、現在は、メールによる一斉送信が容易にできます。電話の連絡網は必要ないということ、人事異動後の「連絡網の更新」を当たり前のルーチンワークにしていた私には気が付きませんでした。

ルーチンワークほど、その仕事が本当に必要なのかを見直す機会をなくしがちです。新年度にむけて、そういう基本的なことを見直すのも大事です。時代の流れ、技術進歩とともに不要となったにもかかわらず、習慣的に行っている仕事って、意外とあったりしませんか?改善に取り組む前に、その必要性の見直しをしてみませんか。

CFO 島岡恵

  • URLをコピーしました!
目次